果たせなかった義父の『家に帰りたい』の夢 ①
番号 9
突然の入院から地獄のような集団生活
先日、義父が他界しました。
以前に肺炎を患い、飲み込む力(嚥下)障害が発症し、食物が誤って器官に入ってしまう誤嚥性肺炎によるものでした。
義父とは30年以上前に知り合い、当時から私自身の父が半身不随であったこともあり、しょっちゅう飲みにつれて行ってもらったり、旅行や遊びに行く、まさに父親代わりの存在でした。
そんな義父ですが、1年前突然「胸が苦しい」と自分で救急車を呼び、入院。
実に4回の転院を繰り返し、最後は老健施設に落ち着きましたが、老健入所の4か月後、誤嚥性肺炎が再発し、そのまま帰らぬ人となりました。
義父は早くに奥様を亡くされて以降、ずっと気ままな一人暮らしだったこともあり、介護施設での集団生活はまさに地獄だったようです。
嚥下障害の為、誤嚥を防ぐため厳密な食事コントロールに加え、痰を吸い出す吸痰も必要であり、どうしても咳が出てしまうことから、他の入所の方から「あの人と席を離して欲しい」「あの人に共有の新聞を読ませないでくれ」と隔離されどんどん元気がなくなっていきました。
頻繁に妻に電話をしては
「オレはいつ帰れるんだ⁈」
と憤慨され、何とか義父の願いを叶えられないか?と日々模索していました。
➤次回『果たせなかった義父の『家に帰りたい』の夢②』:https://oyakaigo.jp/article/show/40