果たせなかった義父の『家に帰りたい』の夢③
番号 11
在宅介護を選べなかった理由
義父の『自宅に帰る案』で一人暮らしは厳しいという結論には至ったものの、あまりの拒否ぶりもあったため、次に『私達家族との同居案』が急遽浮上しました。
娘である妻が小さい頃から家事を行い、義父とも同居の時間も長かった事から義父からの信頼度も高いからという理由でした。
ちなみに我が家は戸建てで風呂・キッチンは2階にあるものの、義父の部屋にしようとしている1階の部屋の近くにはトイレがあり日中不在がちとはいえ、介護サービスなどを使えば何とか暮らせるレベルの環境でした。
一方、義父は介護レベル5でもあったので、私の母が現在入所している特養に相談し、特養入所申し込み後の待機中は系列の老健で体調・食事管理から嚥下のリハビリなどプロのサービスが行き届いた環境で安心してお任せできるというものでした。
両方の良さを天秤にかけ、私としても心情的な部分は分かるものの、父や母の介護を通じて在宅介護の思い通りにならない厳しさやつらさを理解しているつもりです。
それでも食事関連以外、自分のことは自分でできる義父は何とか在宅介護できるのではないか?と考えました。
散々考えて出した結論は、吸痰や誤嚥が起きないよう配慮する食事サポートをこなしきる自身も出ず、やはりプロに任せた方が良い、というものでした。
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