親の「しがち」行動 第1回 ー「備え編」-

番号 140

# 介護録

# 大切な家族へ

スマホ、早く開けがち

レジに並んでいると、まだ自分の番まで何人もいるのに、もうスマホを開いている。

「お母さん、まだ早いよ」

と言っても、

「あれ? これどこ押すんだっけ?」

と、今度はスマホの操作でプチパニック。

さっきまで余裕だったのに、急に忙しくなります。

「ちょっと待って、これじゃない……」

「暗証番号なんだっけ?」

「え、これって何Payだっけ?」

……いや、そもそもまだ順番来てませんし、私は店員ではありません。

こちらは「まだ時間あるから大丈夫」と思っているのに、本人はすでに本番です。

そして、スマホでやらなくてもいいものは、きっちりアナログ。

財布の中には、診察券、ポイントカード、銀行のカード、ショップのカード……。

カードだけで、ちょっとしたコレクションです。

「これは何のカード?」

と聞くと、

「何かのときに使うから」

とのこと。

スマホ一台で済みそうな時代なのに、親の財布だけは妙に分厚い。

早く起きて備えがち

病院の予約は10時。

家を出るのは9時前で十分。

それなのに、朝5時台にはもう起きています。

「まだ寝てて大丈夫だよ」

と言っても、

「寝坊したら困るから」

と、本人はいたって真剣です。

まだ外も十分に明るくない時間から、朝ごはんを食べて、着替えて、持ち物を確認。

時計を見る。

まだ時間がある。

もう一度、時計を見る。

そして、また持ち物を確認する。

出発まで、あと3時間。

でも本人の中では、もう「病院の日」が始まっています。

旅行の日なんて、さらに早い。

前日の夜には荷物ができていて、当日は予定時刻よりずっと前からスタンバイ。

「まだ出ないよ」

と言われても、

「分かってる」

と言いながら、もう玄関の近くにいます。

持ち物、多くなりがち

「ちょっとそこまで買い物に行ってくる」

そう言って出ていく親。

ところが、持ち物を見ると、

財布、スマホ、鍵、エコバッグ、折りたたみ傘、飲み物……。

そして、なぜかもう一つバッグ。

「そんなに持っていく?」

と聞くと、

「何かあったら困るから」

と返ってきます。

この「何かあったら」が、とにかく強い。

雨が降るかもしれない。

喉が渇くかもしれない。

何か買うかもしれない。

必要になるかもしれない。

その「かもしれない」を全部拾っていくと、近所のスーパーなのに荷物はもはや小旅行です。

でも、本人はいたって普通。

むしろ、

「これくらい持っていくでしょ」

という顔をしています。

スマホは早めに開く。

予定がある日は早く起きる。

出かけるときは荷物を多めに持つ。

こうして並べてみると、親って本当に「困らないように」の準備が早い。

思い返せば、こういうところも昔から変わらなかったのかもしれません。

次に会ったときは、そんな親の「しがち」を、ちょっと探してみてはいかがでしょうか?

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