「連絡しなくても異変が分かる」時代へ―まだ知られていない見守りツール最前線

番号 107

# 介護録

連絡の常識が変わる瞬間

先日、新聞記事で、高齢者向け見守りサービスの市場が拡大しているという特集を見ました。

記事では、これまで主流だった電話や訪問による確認から、IoT機器やAIを活用した“生活データ型の見守り”へと変化していると紹介されていました。

特に印象的だったのは、連絡をしなくても生活の変化が把握できるという点です。

例えば、電球の点灯、外出の頻度、室内の動きなどをデータとして取得し、「いつもと違う」状態を検知する仕組みが広がっているそうです。

記事では、毎日同じ時間に点灯していた照明がつかず、異変に気づいた家族が早期対応できた事例も紹介されていました。

また、スマートフォン操作が苦手な世代でも使えるように、設定不要・操作不要の機器が増えている点も強調されていました。

ボタンを押す必要がないため、日常生活の中で自然に使えるのが特徴だそうです。

総務省の推計では、高齢者の単身世帯は今後さらに増えると予測されており、物理的な距離をテクノロジーで補う流れは加速すると言われています。

これまでは「連絡すること」が安心につながると考えられてきましたが、現在は“変化を検知すること”が重要になっているようです。

そこで今回は、まだ広く知られていないものの、注目度が高まっている見守りツールを中心に、その特徴と実例を整理してみます。

ボタン不要、会話不要―“生活そのもの”が通知になる時代

現在の見守りツールの大きなトレンドは、操作しなくても使えることだと言われています。従来の見守り機器は、アプリ設定やボタン操作が必要でしたが、それが導入の壁になっていたそうです。そこで登場しているのが、生活行動をそのままデータ化するタイプの機器です。

代表的な例として注目されているのが、ハローテクノロジーズ株式会社の見守り電球「HelloLight」です。
■公式:https://hello.inc/hellolight/

この製品は電球を交換するだけで、点灯状況を家族に通知する仕組みになっています。Wi-Fi設定が不要なため、インターネット環境に詳しくなくても導入しやすい点が評価されているそうです。毎日決まった時間に点灯する生活習慣がある場合、点灯しないことで異変に気づけると言われています。

また、MAMORIOのタグ型デバイスも、見守り用途として注目されています。
■公式:https://mamorio.jp

もともとは紛失防止用ですが、バッグや鍵に取り付けることで外出の動きが分かる行動データとして活用されているそうです。外出頻度の低下は体調変化のサインになることがあるため、間接的な健康チェックにもつながると言われています。

こうしたツールの特徴は、監視ではなく“生活の延長”として使える点です。利用者の負担が少ないほど継続率が高くなるという調査もあり、現在は「高機能」よりも「自然に使える設計」が重視されているそうです。

「異変はAIが先に気づく」

最近の見守り分野で特に注目されているのが、AIによる生活パターン分析です。従来は異変が起きてから対応するケースが一般的でしたが、現在は「変化の兆し」を早期に検知する技術が進んでいると言われています。

その代表例として知られているのが、エクサウィザーズのAIサービスです。
■公式:https://exawizards.com

このサービスでは、日々の行動データを蓄積し、通常の生活パターンとの差を自動で分析する仕組みがあるそうです。例えば、外出回数や活動量、起床時間の変化などから、体調や生活リズムの異変の兆候を検知できると言われています。

また、ソニーネットワークコミュニケーションズの「amue link」も注目されています。
■公式:https://amuelink.sonynetwork.co.jp/

小型タグを持つだけで移動履歴を確認できるほか、転倒の可能性を検知する機能も搭載されているそうです。屋外での活動データを把握できるため、行動範囲の変化から健康状態の推測にも活用されていると言われています。

研究では、生活データを活用した見守りを導入した場合、確認連絡の回数が約30%減るという結果も報告されているそうです。つまり、安心の根拠が“会話”から“データ”へ移行していると言われています。

今後はセンサーの小型化とAIの精度向上により、さらに自然な見守りが広がると予測されています。

家族の距離は“連絡頻度”ではなく“仕組み”で変わる

見守りというと、電話やメッセージの回数を増やすことが大切だと考えられてきました。しかし最近は、連絡の回数よりも仕組みを整えることが重要だと言われています。

実際、見守りツールを導入した家庭では、「連絡の負担が減った」という声が多いそうです。返信がないことへの不安が減ることで、家族関係が自然になるケースもあると言われています。心理学でも、人は確認行動が増えるほど不安が強くなる傾向があるとされており、客観的なデータが安心感につながると考えられています。

ある家庭では、見守り電球と位置タグを組み合わせたことで、毎日の電話が週1回程度になったそうです。それでも生活の変化が把握できるため、安心感はむしろ高まったと言われています。

現在、見守り市場は年率10%以上で成長しているとされ、背景には単身世帯の増加や共働き世帯の増加があるそうです。特にスタートアップ企業の参入によって、低価格で導入しやすい製品が増えている点も特徴です。

これからは、特別な機器を導入するというよりも、生活に溶け込む小さなツールを組み合わせていくことが主流になると言われています。まずは、負担の少ない見守り機器から取り入れて、無理のない安心の仕組みを作ってみてはいかがでしょうか?

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