介護家族にもコスパ良し⁈ “サービス付き高齢者住宅”

番号 65

# お金

# 介護録

# 介護の準備

「もう広い家はいらない・・」次の住み家に“機能性”を求める親達

先日、会社の同僚の地方に住むご両親が実家を売却し、サービス付き高齢者住宅を購入したという話を聞きました。

その同僚の、お父さんが先日浴室で転び、骨折して入院をしていたそうですが、元々インドアな性格もあり、リハビリをさぼりまくった結果、歩行困難の障害が残ってしまったといいます。

病院にいても”リハビリやれ視線“がしんどい為、何とか退院して逃げてきたものの、実家の戸建てのあらゆる段差が快適を阻み、よもや病院にいるよりしんどくなるとは一ミリも思わず、なくなく20年以上住んだ家を手放す決意をしたといいます。

同僚の実家は戸建て住宅が集合した”団地“と呼ばれた住宅群にあり、かつては同僚の同級生や兄妹全員がその団地住んでいるというほど子供が多い地域で、もれなく近くの公立小中学校に入学しては、学校行事から習い事、成績や進路、悪事や受験の合否に至るまで、全ての情報は見事に2日以内に団地全体へ晒されるという、よく言えば“ファミリー感”という言葉にかき消された、“ノーボーダーエリア”だったそうですが、20年経った今、子供達は就職と共にこぞってこの地を離れ、今度は残された親世帯同士で誰が大病したと“健康情報”を晒し合うという、2025年問題の縮図のようなエリアだといいます。

そんな地域という事もあり、近隣には老健や特養なども次々と建設され、親世代の入居をまだかと心待ちにしている中、割高感の強い“サ高住”を選んだと言います。

借金まみれの親3人を老健や特養一択で入れてきた私としては、サ高住などは夢のまた夢の比較検討にすら入らない『高嶺の花』というイメージでありましたが、介護経験を経た今改めて同僚の話を聞いてみると、必ずしも割高とは言えない、むしろコスパ的に断然良いと思われるポイントがありました。

盤石の‟自宅”

介護保険施設とサービス付き高齢者住宅では機能やサービスで類似する点もありますが、重症度による専門性や医療的な対応などサービスとして一概に比較する事はできないです。

しかしながら、同僚のご両親のように在宅介護で段差を解消させる工事を手配したり、はたまた介護保険外のサービス利用したり、自宅に高額な見守り機器を個人的に手配しようと考えると、サ高住のパッケージングされている生活環境はなかなかの快適空間といえそうです。

一部有料になるサービスもあるようですが、最近のサ高住では以下のようなサービスが展開されているといいます:

① 徹底的な個別化されたケアプラン
介護レベル初期から専門的な医療・介護チームが、入居者一人ひとりの身体的、精神的、社会的背景を詳細に分析し、きめ細かな介護計画の策定。
具体的には:
• 初期総合アセスメント
• 定期的な健康状態の評価
• 個人の生活歴や好みを考慮したケア
• 継続的なケアプランの調整

② 多角的な医療サービスの提供
• 定期的な健康診断と検査
•予防医療と早期介入
• 慢性疾患の管理と継続的なフォローアップ
• 服薬管理と薬剤指導
• 栄養管理と栄養指導
• 身体機能の維持・改善のためのリハビリテーション
• メンタルヘルスケアとカウンセリング

③ 多様で専門的なケアサービス
• 身体介助(入浴、移動、更衣などの日常生活支援)
• 専門医療機関との連携
• 栄養管理と食事支援
• 服薬管理と医療フォロー
• 機能回復のためのリハビリテーション
• 心理的サポートとカウンセリング
• レクリエーション活動による社会的交流支援

④ 24時間体制の包括的ケアサポート
熟練した介護専門スタッフが常駐し、あらゆる状況に迅速かつ適切に対応できる体制を整備。
これらの包括ケアサポートには以下のような多角的なサポートも含みます:
• 緊急時の即時対応
• 夜間の見守りサービス
• 定期的な健康モニタリング
• メディカルスタッフとの連携

⑤ 緊急時対応システム
迅速かつ的確な緊急時対応を可能にする包括的なシステムを構築:
• 常駐する介護スタッフによる即時対応
• 医療スタッフとの連携体制
• 自動緊急通報システム
• 定期的な避難訓練の実施
• AED(自動体外式除細動器)の設置

⑥ 先進的なセキュリティシステム
高度な安全対策により、入居者の安心を24時間体制でサポートします:
• 電子キーカードによる入退館管理
• 監視カメラシステム
• 緊急通報装置の各居室への設置
• 夜間の定期的な巡回
• 外部からの不法侵入を防ぐ堅牢なセキュリティ

⑦ テクノロジーを活用した健康管理
最新の医療テクノロジーを導入し、入居者の健康状態をリアルタイムでモニタリングします。
バイタルサインの遠隔測定や、AIを活用した健康予測システムなど、革新的なアプローチで高齢者の健康をサポートしています。

総合的なコストパフォーマンス: サービスと費用のバランス

サービス付き高齢者住宅のコストパフォーマンスは、単なる価格比較を超えた、包括的な価値評価が重要となります。

私の両親が入所した老健も特養も食事代や美容代、診察費・薬代などを入れて、だいたい月平均で10万円程でした。
いずれも、介護士さんや看護師さんが夜間も交代で常駐しケアをして頂き、体のコンディションに合わせた食事管理や認知症の為の機能訓練など、おおよそ自分ではできない専門的なケアを施してくれました。

しかしながら、人とのコミュニケーションが苦手だった両親たちは毎日同部屋の利用者さんと何らかのトラブルに遭遇しストレスを抱え、さらにはやりたくないレクレーションをさぼり部屋に閉じこもっていると途端、具合が悪いと医師を呼ばれ、飲みたくもない薬をガンガン処方されてしまうので、なくなく元気な“ふり“をしてレクレーションに参加していました。

サ高住の賃料も平均的には10万円前後で管理費として数万円取られるとしても介護保険施設で個室を借りるのを考えれば、プライベートな空間や自由度も守られ、よりパーソナライズされた介護プログラムを検討できることを総合的に考慮すると経済的合理性は感じられる部分もあるのではないでしょうか?

とはいえ、認知症が進み徘徊が激しくなったり、一人暮らしで自分の事が自分でできなくなったりし始めたら「プライベート空間・・」などと言っていられない状況も来るかもしれません。
親がアクティブに活動できているうちに是非チェックしてみてはいかがでしょうか?

その他のコラム

もっと見る

TAGタグから探す