急速な進化を遂げる “集音器”の世界

番号 45

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国民の10人に一人が難聴⁈ 高齢化で突入する『大難聴時代』

先日、『東京ケアウィーク'25』という介護用品・介護施設向けの設備、サービスに特化した専門展へ参加しました。

介護のテーマ別に会場やブースが分かれ、介護テックやフード、介護レク、感染対策、保険外サービス、施設のリノベーションや人材採用に至るまで、300以上の企業が展示しており、介護事業者などが3日間で数千人規模が参加される大イベントで、一般ユーザーは入場できない“プロ”が集まるアツい展示会です。

そんな中に一際、おしゃれで、同類のない気になるアイテムがありました。
それは、Otocarti MATE(オトカルティ メイト)、という軟骨伝導イヤホン&集音器です。

私の母も父の介護で膨大なストレスを受けたせいか、40代後半に片耳が突発性難聴になり、主治医の先生から補聴器を勧められました。
色々なものを試しましたが、どれもなかなかフィットするものがなく、さらに装着している時に障害者扱いされたり、老けて見えたりすることを嫌い、その挙句、公的医療保険の適用外となっているため15万円近い金額を自己負担しなくていけないと、ほとんど良い思い出が無く、結局「片耳は聞こえるから・・」と断念した経緯があります。


かつての苦々しい補聴器と集音器の違いを恥ずかしながら詳しく知りませんでしたが、昨今では難聴者数の増加も相まって、補聴器のような資格保有者による厳密な調整が要らない、手軽で利用者が自由に音量・集音調整ができる集音器に注目が集まっているようです。

ブースの看板にも「世界初軟骨伝導集音器」とある通り、軟骨を振動させて外耳道内に音を作り出すためクリアに音を聞くことができ、イヤホン部は穴も凹凸もない球体のため、耳垢や皮脂がたまらず常に清潔に使用できます。

また集音器多くは、すべての音を増幅するため、不要な雑音まで大きくしてしまう特徴がありますが、こちらは独自のイコライジング技術により話し声がクリアに大きく聞こえるという優れものです。
また、Otocarti MATEでは集音部分がストラップ型で、Bluetoothで同期させるような特別な接続操作は不要で電源ONすればすぐに集音を開始するという手軽さに加え、左右独立で音量調整できるので、片耳だけ聞こえづらい場合は、片耳の音量だけを大きくすることが可能です。

さらに、同社の他の商品でもある「Kikiyasu」という時計型のデバイスでは、補聴器や集音器で起こりがちなハウリング対策として、こちらは腕時計型のマイクとイヤホンを遠ざけることでハウリングが起きないデザインを採用しているとのことです。
マイクは腕に装着してもストラップで首からかけても使用可能なので、ご自身で距離を調整して使用することができます。

箱を開けて3ステップで手軽に使えて、スタンダードタイプが2万円台、高いモデルでも4万円台と母と一緒に補聴器を探していた頃では考えられないコストパフォーマンスを見せていました。

■ティ・アール・エイ株式会社
・Otocarti MATE:https://cheero.shop/products/che-n-003
・Kikiyasu:https://greenfunding.jp/lab/projects/8490

日本における難聴者数の現状

補聴器工業会の調査によると日本における難聴者数は1430万人と推定されており、人口に対する比率は11.3%と世界で3番目に多いと報告されています。
難聴者数は年々増加傾向にあり、高齢化社会の進展に伴い、今後さらに増加することが予想されています。

■年齢層別の突発性難聴患者数推移
2015年: 20歳未満 1,200人、20-64歳 12,000人、65歳以上 17,000人
2020年: 20歳未満 1,500人、20-64歳 15,000人、65歳以上 22,000人

この統計データから、突発性難聴患者数は全年齢層で増加傾向にあることがわかります。

特に65歳以上の高齢者の患者数が最も多く、2015年から2020年の5年間で約30%増加しています。
また、昨今有名なアーティストや芸能人で罹患するニュースを目にする事もある20-64歳の層のうち、親の介護年齢でもある40-50歳の発症が爆増しており、この年代は職業や家庭生活が多忙になる時期にあたり、ストレスや生活リズムの乱れなどが発症リスクを高めている可能性があります。

突発的な聴力低下は、会話の困難や社会生活への支障など、患者の日常生活に大きな支障を及ぼすことが明らかになっており、コミュニケーション能力の低下、社会参加の意欲の低下、精神的ストレスなど、生活の質を著しく低下させることが指摘されています。

そのため、難聴者にとっての集音器は残存聴力の有効活用が可能になるため必要不可欠な支援機器であり、早期使用が長期的な聴力低下のリスクを軽減し、さらなる聴力悪化を防ぐことが期待されています。

そんな背景もあり、今回の「Otocarti MATE」のようなデジタル集音器の技術革新が急速な進化を遂げていると考えられます。

個人差のある聴覚特性に合わせた自動調整機能の高度化や、遠隔設定の簡便化など、ユーザビリティの向上に加え、軽量化や防水性の向上など、日常使用に適した製品設計の改善など、従来の補聴器の課題の多くを解消させ、より多くの難聴者が恩恵を受けられるようになってきた事は、シニアのみならず若年層の難聴に悩む人々にとってまさに朗報であると言えます。

久しぶりに実家に帰省し、親が爆音でテレビを見ていたような経験がある方は一度、チェックしてみてはいかがでしょうか?

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