介護家族の方が通いたくなる⁈ 注目のデイサービス

番号 46

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魅力が止まらない デイサービス

先日、麻雀やカードゲームで施設内通貨を荒稼ぎするデイサービス利用者のニュースを見ました。

そこのご施設では麻雀以外にもカードゲームやパチンコなど、アミューズメント要素満載のサービスを展開しており、施設内でのみ使える"通貨"を賭けてゲームを楽しんでおりました。

また、ゲームだけでなく、一日数回行われる体操やストレッチなどに参加すると施設内通貨がもらえ、これを元手にゲームに参加するというものです。

得た通貨は施設内で飲み物や食べ物、日用品を買える他、や提携先のマッサージや岩盤浴、ネイルサロンなどの施設、極めつけは温泉やレストランのついた豪華客船のクルーズでも使えるといいます。

利用者は要介護と認定されてから2年経過した後も心身機能維持・改善率が80%以上と非常に高い効果を示しており、こういったギャンブル性の高い娯楽活動を導入する介護施設も増えてきているといいます。

コンセプトは『アクティブシニアの"レッスンスクール"』

近年、高齢者のニーズの多様化に対応すべく、デイサービスの提供内容も大きく変化しているといいます。
従来の機能訓練や日常生活支援に加え、趣味や生きがい要素の強いプログラムが登場しています。

「園芸+料理教室型」デイサービス

植物の世話や花壇の手入れなどを通じて、五感を刺激し、集中力や創造性を養うことができます。
昨今では室内に本格的な家庭菜園スペースを作り、そこで農作物を育て、料理教室で使用するという"園芸療法"を組み込んだデイサービスも登場しています。

自分で育てるやりがいや、自給自足の意識を促し、料理の楽しみを提供し、さらにバランスの取れた栄養豊かな食事を摂取できるサービスとして注目されています。
メニューは施設の栄養士が監修し、調理も専門の調理師が指導し、利用者が協力して自分で育てた農作物や季節の食材を使って料理を作るといいます。

調理の過程では、切る、混ぜる、盛り付けるといった動作を通じて、手先の器用さや認知機能の維持にも効果があり、さらに完成した料理を利用者全員で試食し、仲間との交流や人に料理をふるまうという「ホスピタリティマインド」まで促進されるといいます。

「資格取得支援型」デイサービス

資格取得支援型デイサービスは、デイサービスの新しい取り組みの中でも特に人気を集めている分野の一つといいます。

利用者が資格取得に向けて学習や実践の機会を提供することで、生きがいの創出や自己実現につなげることを目的としています。

提供される資格の種類は多岐にわたり、介護職員初任者研修や介護福祉士、調理師、パン職人、園芸療法士などがあります。

利用者は、デイサービスの日中の活動の一環として、これらの資格取得に向けた学習や実技練習に取り組むことができます。
講師には、各資格分野の専門家が招聘され、きめ細かな指導が行われています。

また、資格取得支援型デイサービスでは、単なる学習支援にとどまらず、実際の資格試験の受験サポートも行われています。

デイサービス内で模擬試験の実施や、試験当日の送迎、試験会場への同行など、利用者が安心して試験に臨めるよう細やかなサポート体制が整えられています。

この取り組みによって、多くのデイサービス利用者が資格取得に成功しており、介護職員初任者研修の資格を取得した利用者が、デイサービスでボランティアとして活躍するようになったと紹介されています。

また、調理師の資格を取得した利用者が自身のお店を開業するなど、資格取得が自己実現につながった事例も見られるといいます。

資格取得に向けた集中力を必要とする学習自体が、利用者の脳の活性化にもつながり、認知機能の維持や向上にも効果を上げていることが分かっています。

「IT技術活用型」デイサービス

タブレット端末やVRゴーグルを用いて、仮想現実の中で旅行や芸術鑑賞、ゲームなどIT技術を活用したデイサービスも登場しています。

こちらも認知機能の維持や運動機能の改善など生活の質を効率的に向上させる効果が期待されており、デジタルネイティブ世代の高齢者ニーズにも合致しています。

実際に遠隔地を訪れることが困難な高齢者にとって、VRによる仮想旅行は、まるで本物のような臨場感と没入感を提供します。

美しい自然風景や歴史的な建造物、異国情緒あふれる街並みなど、これまで見たことのない景色に触れることで感性が刺激され、また、過去に訪れたことのある旅行先を仮想空間で再び訪れることで、懐かしい風景や建物、出会った人々との出来事を再び体験することで記憶が呼び覚まされ、認知機能の維持に効果を発揮します。

また、VRデイサービスは、リハビリテーションや軽い運動を促すプログラムの提供も可能です。
ゲームやインタラクティブな運動プログラムを通じて、高齢者の運動機能の維持や向上を図ることができます。
仮想空間内での歩行訓練やバランス練習は、実際の日常生活動作の改善につながります。

また、上肢の動作を要するミニゲームなどを通じて、手指の器用さや筋力の維持にも効果が期待されます

さらに仮想空間上で他の利用者や家族と交流することで、高齢者は孤独感を解消し、コミュニケーション能力の向上も期待できます。

他の利用者と協力して課題に取り組んだり、共同でゲームを楽しんだり、新しい人と出会い、交流を深めたりすることで、社会性や対人関係スキルの維持・改善にもつながります。

IT系企業も次々と参入し、先進的なプログラムが続々と登場してきています。

多様化の課題

デイサービスの多様化には、多くのメリットがある一方、いくつかの課題と懸念が指摘されています。

まず、本来のデイサービスの目的である介護や支援から逸脱する可能性がある点が挙げられます。
ギャンブル型のサービスなどは、娯楽性が強く、利用者の健康や金銭面での悪影響が危惧されるため、本来の介護目的から離れてしまう恐れがあり、このような傾向は、デイサービスの質の低下につながる可能性があります。 

次に、介護家族は自身の要望やニーズに合ったサービスを見つけ出すのが難しくなっています。
利用者一人ひとりの状態や嗜好が異なるため、事業者が提供するサービスの中から最適なものを選択するのは容易ではありません。
選択ミスをすると、利用者の満足度が低下し、かえって介護家族の負担が増大してしまうことがあります。

さらに、新規サービスの質や事業者の信頼性を見極めるのが難しいことも、介護家族の不安要因となっています。
スタッフの教育や資格の水準、サービスの継続性などにばらつきが見られ、安心して利用できるサービスを見つけるのが難しくなっているのが現状です。

最後に、最も大きな所として、新しいサービスタイプの導入には、事業者側の大きな投資が必要となるため、サービス利用者の負担増にもつながりかねず、公的支援を受けている高齢者にとっては、サービスの利用が困難になる恐れがあります。
介護保険の給付には上限が設けられており、利用者は自己負担分を支払う必要があります。

例えば、要介護2の場合、1か月あたりの上限は37,200円となっていますが、認知症ケアや機能訓練など、より専門的なサービスを利用する場合は特に、自己負担分が大きくなる傾向にあり、多様化したデイサービスの中には、この上限を超えるような高額なメニューも登場しています。

こうした状況では、介護家族は自費でサービス料金の差額を支払わなければならなくなり、限られた家計の中から、高額なデイサービス利用料金を捻出することは大きな負担となっています。

デイサービスの多様化は、利用者ニーズに合わせたきめ細かなサービス提供を可能にしましたが、同時に介護家族の経済的な負担を大きく増大させてしまっているのが現状です。
介護家族の精神的・身体的な健康を守るためにも、サービス料金の適正化や、経済的支援策の拡充など、総合的な支援策が求められます

以上のように、ユニークなデイサービスの導入は、高齢者の生活の質の向上や自立支援、介護予防に大きな効果を上げていることが示されており、利用者の満足度が高く、身体機能や認知機能の維持、生きがいの創出など、多様な側面で好影響がもたらされていることが分かります。
一方で介護家族にとっては適切なサービス選択の困難さ、経済的負担の増大、サービスの質の不安定さなどの課題も生み出されています。

サービス提供者やケアマネの方などと相談し、可能ならば何度かお試しをしながら利用者自身の反応を見て選択する事が重要であると考えます。

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