介護機器にも革命⁈再エネの切り札「ペロスカイト型」太陽電池とは

番号 43

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日本がリードできるチャンス『ペロスカイト型』太陽電池

先日、高齢者住宅で『ペロスカイト型』太陽電池なる技術を使ったアートアロマディフューザーの実証実験の記事を読みました。

“ペロスカイト”という全く聞きなれないこのモノは、特定の結晶構造を持つ材料のことらしく、太陽光を効率的に吸収できる特性があり、特に太陽電池や発光デバイスに利用されているそうです。

この新しいタイプの太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池に比べて、製造コストが安い上、軽量で柔軟性があるため、さまざまな場所に設置できるという特長があり、ビルの外壁や自動車のソーラパネル、農業分野の温室の屋根など電源依存の分野において実用化が急速に進んでいるそうです。

今回のこの実証実験に使われたアロマディフューザーもその特徴をふんだんに活かし、室内のような低照度においても発電させ、電源依存の欠点を補い、さらに薄く・軽く・曲がる特徴を従来のアロマディフューザーのイメージをはるかに超える、住まいと暮らしに溶け込みまくった斬新なデザインに仕上げていました。

ペロブスカイト型太陽電池の実用化に向けた動き

ペロブスカイト太陽電池の発電層の主要な原材料のヨウ素で、日本はなんと、世界第2位の産出量(シェア約30%)といいます。
そんな資源的アドバンテージを背景に、経済産業省が乗り出し、2021年に「ペロブスカイト太陽電池技術研究組合」を発足させ、産学官が連携して材料開発から量産化プロセスの確立まで一気通貫した研究開発を強烈に後押ししているそうです。

さらに2025年から必要な研究開発費として約340億円を計上し、2040年には原発20基分に相当する20ギガワットを賄う目標を検討しているという、国家レベルで取組む大注目の技術であります。

一方で、世界各国も活発な動きを見せています。
欧州連合も、Horizon 2020やHorizon Europeなど複数のプログラムを通じてペロブスカイト太陽電池の研究を支援してきました。2023年からは新たな取り組みとして「European Perovskite PV Flagship」が始動し、10年間で約10億ユーロの予算が投じられる予定です。この大型プロジェクトでは、基礎研究から実証試験、社会実装に至るまでのロードマップが策定されています。

米国エネルギー省も、低コストで高効率な次世代太陽電池としてペロブスカイト太陽電池の研究開発を重点的に支援しており、2022会計年度には約3,000万ドルの予算が計上され、中国政府も「国家重点研究計画」の中でペロブスカイト太陽電池を重要な研究領域と位置づけ、大規模な投資を行っています。
また、税制優遇措置や補助金制度を通じて、企業によるペロブスカイト太陽電池の製造や導入を後押ししています。

新興国のインドでも、再生可能エネルギーの普及が重要課題とされており、ペロブスカイト太陽電池の研究開発に力を入れています。
ペロブスカイト太陽電池は低コストで設置が容易なため、電化が進んでいない農村部への導入が期待されています。
こうした各国の取り組みは、ペロブスカイト太陽電池の技術的課題の解決を加速するとともに、環境配慮型の製造プロセスの確立やリサイクル技術の開発、量産体制の整備など、実用化に向けた多角的な支援につながります。

先述の通り、資源的なアドバンテージを享受できているうちにトップランナーとしての地位を確立する事が急がれます。

介護現場への導入による影響

そんな期待度大のペロブスカイト型太陽電池ですが、介護現場への導入は、様々な面で大きな影響を及ぼすとさらに期待されています。

まず、従来の重量級の電源装置に代わり、軽量で柔軟性のあるペロブスカイト型太陽電池を採用することで、介護従事者の身体的負担が大幅に軽減されます。
例えば、ベッドや車椅子、パワースーツや歩行補助器具などに組み込むことで、移動や介助の際の負荷が小さくなり、ケアの質の向上と介護従事者の労働環境の改善が期待されています.

次に、電力供給の安定化と持続可能性の向上が挙げられます。
ペロブスカイト型太陽電池は再生可能エネルギーを利用するため、停電等による電力供給の断絶リスクが大幅に低減されます。
また、メンテナンスが容易で寿命も長いため、介護施設の電力インフラを持続可能なものへと変革できます。これにより、高齢者の生活の質を安定的に維持することが可能となります。

さらに、介護施設のランニングコストの削減にも大きな効果が期待できます。
ペロブスカイト型太陽電池は製造コストが低く、発電効率も高いため, 電力代やメンテナンス費用削減が見込めます。
これらのコスト面での利点は、介護サービスの改善や施設の収支改善につながり、ひいては利用者への還元にもつながる可能性があります。

最後に、環境負荷の低減も重要な効果です。
再生可能エネルギーの活用により、CO2排出量の削減や廃棄物の抑制など、持続可能な社会の実現に寄与できます。
高齢化が進む中、介護の現場からも環境保護への要請が高まっており、ペロブスカイト型太陽電池の導入はその課題解決に貢献しうるアイテムであると言えます。

今後、例えば太陽光を利用して自動的に充電される介護用ロボットなど、未来の介護現場を支える新しい技術が登場するかもしれません。

耐久性や効率の向上が進むことで、より多くの介護機器に導入される可能性があり、さらに製造コストが低下すれば、より多くの介護施設や家庭での導入が進むでしょう。

介護現場での実用化が進むことで、より快適で持続可能な介護環境が実現されることを期待しています。

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