まだまだ知られていない⁈『ダブルケア控除制度』

番号 42

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『103万円の壁』に波及する様々な問題

最近の『103万円の壁』が話題になる裏で、様々な控除の世帯年収や総所得金額の条件も引き上げられるのかどうか?が問題になっているニュースを目にしました。

『103万円の壁』は “12月のかき入れ時に限ってシフトを激減されてしまう問題”として、パートやアルバイトが多い労働現場の永遠の問題となっていたのは周知の通りです。

可処分所得増加を期待するニュースが並ぶ一方、現行で機能している“控除”について条件となる『世帯年収●●万円以下』や『総所得金額▲▲万円以下」などがどうなるのか?が議論されていました。

よく知らないような控除が並ぶ中、2021年の税制改正において、介護と子育ての二重の負担を抱える"ダブルケアラー"の経済的負担を軽減するために大幅改正をされたという『ダブルケア控除』という控除に目が留まりました。

私自身ダブルケアラーでありながら、恥ずかしい事にこんな控除があったのか、と初めて知りました。

高齢化や核家族化が急速に進むにつれ、ダブルケアラーの数は年々増加しており、厚生労働省の最新の調査によると、ダブルケアラーは約600万人に達すると言われているそうです。

ダブルケアラー向け所得控除制度としては2015年の税制改革において導入をされたようですが、制度導入当初は対象世帯が限定的で、かつ事務処理も煩雑の為、その存在や内容をほとんど知られていなかったそうです。

そのため、本来対象者であった多くのダブルケアラーが制度の恩恵を受けられておらず、実際に2018年度の適用件数は、推計対象者の10%程度に過ぎないという現状だそうです。

ダブルケアラーの可処分所得を増やし、介護と育児にお金がを回せていない実態を重く見て“対象世帯の範囲の拡大”、“控除額の増額”、“申請手続きの簡素化”と大幅改正に踏み切ったようです。

ダブルケア控除の“要件”

ダブルケア控除の要件は、次の3点との事でした。

(1) 同一生計の扶養親族である19歳未満の子供と70歳以上で要介護1以上の親族の両方を同時に介護していること
(2) 子供と親族の介護に年間20万円以上の費用を要していること
(3) 総所得金額が750万円以下であること

この要件を満たす納税者には、最大50万円の所得控除が認められるようです。
また控除額は、子供1人につき12万円、70歳以上の親族1人につき6万円が基本額とされ、合計で最大50万円までの控除が受けられるようです、

この導入により、ダブルケアラーの所得税と住民税が軽減されることになります。

例えば、夫婦と子供2人の4人家族でダブルケア世帯の場合、夫の年収が600万円、妻が無職で子供と高齢の両親の介護をしているとした場合、ダブルケア控除30万円を受けられるため、所得税が約6万円、住民税が約4万円軽減されると試算されていました。

また、この控除を受けるための申請手続きは、確定申告の際に行わなければならないようです。

必要書類として、申請者と対象となる介護者および子どもの続柄関係を示す住民票や戸籍謄本、介護状況を証明する公的書類などを揃える必要があります。

期限を過ぎた場合、控除額が減額されたり、最悪の場合は適用が受けられなくなる可能性もあるので、制度を有効活用するには、事前に最寄りの自治体や税務署に確認し、これらの条件を十分に理解しておく必要がありそうです。

気を付けたい“総所得金額”

2022年のデータで日本全体の平均世帯年収は545.7万円で、中央値は423万円とのデータがあります。

また、2022年の調査に基づく年代別の平均世帯年収は

- 30〜39歳: 627.2万円
- 40〜49歳: 728.5万円
- 50〜59歳: 742.1万円

ダブルケアの中心的世代ともされる40代は728.5万円、 50〜59歳も742.1万円で最も高い水準となっています。
まさにダブルケア控除の条件にある総所得金額750万円はこれらの背景を鑑みたものかもしれません。

これらのデータから、多くのダブルケア世帯の年収的には条件に当てはまる可能性は高いものの、例の『103万円の壁』が引き上げられた場合、あっという間にオーバーする可能性があり、引き上げが起きた場合はこちらの総所得金額の方も引き上げを期待したい所です。

当てはまる方は是非、今回の確定申告でチェックしてみてはいかがでしょうか?

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