まだまだハードルが高い⁈ 介護の“リモートワーク”

番号 37

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コロナとは違う『在宅特性』

母の入院に伴い、役所・銀行・保険会社などとの各種手続きやおむつなど日用品の補充、はたまた病院や介護職員との面談等々、平日の日中にやることが盛りだくさんになってきた為、勤務先にリモートワークを申請しました。

勤務先は、今でこそ(なくなく)リモートワーク“容認派”になっていますが、コロナ禍では“超”反対派の急先鋒企業でした。

申請が通過するまでにコロナが治ってしまうと評判の鬼の“五次承認”体制を敷き、いざリモート権を勝ち得ても一日中カメラオンさせるという、プライバシー保護のカケラもない“見守りシステム”を発動させ、コロナの猛威を強烈に後押ししていきました。

さらに、ゴリ押ししてきた対面会議では『密での面談をさける』と堂々と矛盾するこだわりぶりを宣言したかと思えば、なぜか天井の空調に近づくよう全員立って会議をするという、訳のわからない“オリジナルメソッド”を確立させ、この立ち会議に疲れ切った参加者全員の思考回路をマヒさせ、「このスタンド法こそ最も効果的な方法だ」と洗脳させてしまうという、超高度な説得技術を持ち合わせていました。

かくして将来有望な若手社員はあっという間に会社を去り、昭和生まれの経営幹部ばかり残った数十人の企業は、新しい応募者のリモート希望にも対応できず、毎日出社して意気揚々と“スタンド会議”していた、この悲しい経営幹部達が現場にどんどん駆り出されるハメになるというコントのような循環が生まれました。

同じリモートワークでもコロナと介護では会社が受ける印象が違う

コロナと違って介護を両立させるリモートワークでは、『“家事”に多くの時間を業務中に費やされる』ことは明白です。

社員にとって大事な家事だったとしても、会社とすれば本来業務で利益を生むかもしれない時間に社員の個人の利益に使われてしまうのでは、やはり躊躇せざるを得ないと言わざるをえません。

そういった企業側の考えも踏まえた上で、いかに在宅勤務によってライフワークバランスを保つことが今の自分にとって時間的にも精神的にも最高のパフォーマンスを発揮できるか?を合理的に説明し、本来の通勤時間や退社時間後の時間などに規定時間働けるよう振替え、アウトプットを明確にしていくよう、会社と折り合いをつけることが重要だと考えます。

超高齢化でさらに加速する “ビジネスケアラー”

2024年7月時点で、10,000人以上の大手企業のテレワーク実施率は38.2%と2年ぶりに上昇し、業界別では情報通信業が56.2%と最も高い実施率となっています。

一方で、介護と仕事を両立させる『ビジネスケアラー』は約365万人いると言われ、そのうち1年間で介護を理由に介護離職をした人は10万人以上にものぼり、コロナ禍の“働き方改革”でリモート環境が進んできたと言いながらも、中小企業など人手が少ない環境においては、依然取得しづらい文化が残る企業も多く、せっかくのWワークで世帯年収を上げても、収入が少ない方が辞めざるを得ないような現状がまだまだ散見されます。

「育児・介護休業法」が改正され、行政による介護休暇や介護休業給付など家族介護の負担を軽減しやすい制度も整いつつありますので、親の介護が気になり始め、就業先の理解が難しそうだと感じる方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか?

■出典
・厚生労働省:令和4年就業構造基本調査
・総務省統計局:令和4年就業構造基本調査結果

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