それでもなお、エアコンを付けないシニアの気持ち

番号 30

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今年も続出するシニアの熱中症

梅雨が明け、今年も酷暑日がスタートしました。
そんな中、ニュースで二人暮らしの老夫婦が熱中症でお亡くなりになられたニュースが早くも流れていました。

このご夫婦のお宅にはエアコンがついておらず、扇風機でしのいでいらっしゃったらしいですが、お二人が利用されていたデイサービス職員が次の日の朝迎えに行った際に発見されたそうです。

先週の熱中症の救急搬送者は4.5倍増え、全国で9,078人にも上り、そのうち55.7%が65歳以上の高齢者とのことでした。

確かに私の両親も

「エアコンの人工的な寒さが好きになれない」

と扇風機を多用し、蚊など微塵も気にせず窓をフルオープンにし、汗だくになりながらも、たまに入る気持ち程度のそよ風に

「いい風入るよね~」

と、暑さをさらにイラっとさせる『気休め言葉』でエアコンは"悪”と洗脳され続け、毎日罰ゲームのごとく家族総出で“限界にチャレンジ”に付き合わされていたのを思い出しました。

こんな昭和感あふれる時代背景がありながも、思えば昔は夕方以降もっと気温が下がり、ギリギリ扇風機でも過ごせていたような記憶もありますが、昨今の異常気象では到底、扇風機では越せない“ヒートアイランド現象”が加速度的に進んでいる実感があります。

これだけ熱中症のニュースが流れ、事故が多発している中、なぜケアしないのか?
とりわけ高齢者にはエアコンを使わない、または使えない理由が何かあるのか?考えられる理由を挙げてみました。

冷気が体に悪いと考えている

前段のように急な寒暖差や持続的な寒さから体調を壊し、体感的に冷気が体に悪いと考える高齢者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
高齢者でなくとも室温と体温の差が大きすぎるとだるさや肩こり、頭痛などを引き起こし、体調を崩しがちになります。

また、高齢者の方の中には若い頃と比べて暑さに強くなったと感じている方もいるため、暑さに耐えられると考えている人も少なくありません。
しかしながら、加齢により体温調整能力が低下していることに気づかず、いつものように耐えていたら、話はできるのに急に立てなくなり、熱中症に陥ってしまった事例がほとんどです。

よって、室温と体温差を極力少なくする事が重要で、一般的に熱中症を引き起こしづらい適正温度の目安としては26-28℃に室温を保つことがポイントのようです。

電気代の高さを気にしている

節電の為、扇風機をメインに利用する方も多いと思いますが、世界保健機関(WHO)は、気温35度以上の場合、扇風機の風が体温を下げるよりも、脱水症状のリスクを高める可能性があり、熱中症は予防できないと注意を促しています。

また、エアコンも電源をこまめに入り切りすることで節電につながりそうですが、外気温が高く、エアコンの設定温度と外気温の差が大きい場合は、つけっぱなしの方が電力消費量を少なく抑えることができる場合があります。

日中外気温が高いとされる、おおよそ9:00~18:00の間や就寝時など長時間の間に頻繁に入り切りし、高温を下げるという一番電力消費をしてしまうことを繰り返すより、26-28℃の一定温度で継続的につけていることが重要です。

エアコンの操作がうまくできない

昨今のエアコンには便利な機能がたくさんある一方、一人暮らしの高齢者には適切な使用が難しい傾向があると言われています。

一人暮らしの高齢者の約13%は、夏季にエアコンを積極的に使用していないというデーターもあり、さらに熱中症による死亡者数の約67%が一人暮らしの高齢者という報告もあります。

同居家族がいれば、家族が室温管理やこまめな水分補給を促すことで、エアコンの適切な使用につながりますが、一人暮らしの高齢者には、スマート家電の活用による利便性の向上や、見守りや見守りカメラやヘルパーなどのサービスを活用により、定期的な安否確認や水分補給のサポートが得られ、熱中症予防につながります。

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