ここまで来た『サービス付き高齢者住宅』
番号 26
もはやホテル、最新のサ高住事情
先日、完成したてのサービス付き高齢者住宅を内覧する機会がありました。
30階以上ある高層分譲型のサ高住で10階までの居住区は同居世帯用、以上の最上階までは単世帯用に分かれています。
設備も充実していて数十種類の最新の雑誌を取りそろえた数千冊を備える図書館はもちろん、シアタースペース、ネイルサロンも併設されたカットサロン、パーソナルトレーニングもできるジムやプール、マッサージ器などが完備されたスパエリアなどなど、一つの建物内が街を形成しているようなぐらい、全てが完結してしまう仕様になっていました。
その中でも一番の“ウリ”は、『展望ダイニング』、『プライベートダイニング』、『テラス付きダイニング』と3種類のダイニングが設けられ、某有名ホテルとコラボレーションしたメニューをビュッフェスタイルだったり、バーベキューだったり、個室で重要なお客さんを招いての会食だったりとシチュエーションに応じた“食”を楽しめる仕様になっていました。
もちろん医療体制も充実していて、常駐のコンセルジュが看護師や介護士の資格を有するスタッフが24時間体制で対応し、近くには5つのクリニックと総合病院、2キロ圏内に大学病院があるロケーションに加え、随時訪問診療や歯科診療、薬剤師も定期訪問され万全の健康管理を施してくれるそうです。
最上階は〇億円という億ションにも関わらず、ほとんどの住戸が売約済みらしく、共働きで子育てをする世帯が親と同居し、子供の面倒や留守を見てもらい、親も単世帯で遠く離れた地で老々介護になる前に自宅を売却し、この充実した設備の環境で子世帯のサポートに注力する、という家族にとってメリットが高い選択になっているように思えます。
人気高まる“サ高住”
全国のサ高住の登録総数は2022年5月末時点で7,680件、258,321戸で、そのうち4,036件、142,079戸が掲載されており、登録総数の52.6%、55.0%を占めています。
また、80代の入居者が最も多く、入居者の平均年齢は82.6歳との報告があります。
利用者の傾向として介護度が低いうちに検討を始め、度合が上がってきたタイミングで自宅を売却したり、年金以外の資産を確保し、入居に踏み切る世帯が多いようです。
冒頭の都心の“超”高級サ高住はなかなか検討のスコープには入りづらいかもしれませんが、設備的な所では充実した所が多く、両親が同じ金額の家賃を支払って単世帯でサポートもなく不安に過ごすより、運動やコミュニティ、食事、医療サポートの充実した環境を整える家族が増えてきているようです。
プライベートが分けられた2世帯型のサ高住も登場していますので、ご両親との同居にメリットを感じる子世代の方々は一度、検討してみてはいかがでしょうか?