長く日本経済を支えてきた、団塊世代は働くことを生きがいとしてきました。

一昔前は「残業月100時間とか当たり前」と鬼のような残業をこなし、有給休暇を1日でも取れば白い目で見られ、土日に休日出勤する社員が誰よりもエラく、やることなくても無駄に拘束時間を長くする事こそが“善”とされる時代でした。

そんなモーレツに働いてきた団塊世代の中には定年退職を迎え、いざ「ゆっくりして下さい」と言われても何をすれば良いのか分からず、家にいるとかえって体調を壊してしまうと、毎朝、目的地もないのに朝の通勤していた時間に着替えて、電車に乗るシニアがいると聞いたことがあります。

働くシニアのモチベーションを調査すると、『収入を得たい』という意欲もさることながら、『働くことで健康を維持したい』と考えるシニアが多い事が分かります。
では65歳以上の“高齢就業者”はどれくらい、いるのでしょうか？

総務省の「労働力調査」によると、2021年は909万人で、18年連続で増加しています（図表１）。

また、年代別に見ると74歳までの就業率の推移は10年前に比べ10％以上伸びており、65歳以降も働きたいと考えるシニアが増えてきたことがうかがえます。（図表2）

“キレキレ”のシニアしか生き残れない

前に勤務していた会社でも大手外資系企業で役員を歴任され、リタイヤされた方が嘱託で勤務していましたが、Excel、Wordやパワーポイントなんかも普通にバンバン使いこなし、たまに呼ばれた会議なんかでは、何も言わずつまらなそうに端っこの席に“ちょこん”と座っていたかと思えば、年下の上司から嫌味っぽく意見を振られても、過去の経験則から、エッジの利きまくった意見を面倒くさそうに返し、現役の議論を根底から覆す場面を繰り広げたかと思いきや、定時の17時ピッタリで「おつかれ～」とパート社員の女の子たちと一緒にキャピキャピ帰っていく・・そんなカッコいい先輩に心底、憧れたものです。

この方は68歳の方でしたが、長く外資系企業で働かれていたこともあり語学も堪能で、ご自身でも個人事業主として海外に向けた事業もされているような方でしたのでレアな事例かもしれませんが、現状65歳以上で、企業から呼ばれて働けるような方となると、相応以上の能力を、それこそ必要以上に求められる傾向は少なからずあるのではないでしょうか？

中途半端に稼ぐのが一番損⁈

65歳以上の高齢者世帯の平均世帯年収は、厚生労働省の「2022（令和4）年 国民生活基礎調査の概況」によれば、およそ318.3万円であることが報告されており、その内「公的年金・恩給」が占める割合は62.8%で約200万円、残りの118万円が給与の平均年収となる計算です。

一方で、介護保険の3割負担となる条件は、本人の合計所得金額が220万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額が単身者なら340万円以上2人以上なら463万円以上です。
年金が200万円程度とすると、本人単独でもあと140万円、ご両親共働きなら263万円分働いたら3割負担のゾーンに入ってきてしまい、月に10万円ぐらい稼いでしまうと達するような範囲です。

本人のモチベーションの源泉になるのであれば、子としてはいつまでも働いて家計の支えになっていて欲しい所ですが、持病を抱え始め、医療費がかさむ年代で中途半端な働き方では損するケースもありますし、いよいよ75歳の後期高齢者となった場合、働けるのは僅か10%ぐらいという“狭き門”を考えると労働以外の調達手段を早々に考えておいた方が無難かと思います。

最近では、会員サービスなどで通常利用しているサービスと合わせて親子共に加入できる介護保険を検討される方も増えてきました。

会員価格なので掛け金もリーズナブルな設定の上、要介護状態で一時金が受け取れたり、持病があっても加入できる場合もあったり、介護相談や生活サービスの優待、ポイント付与などの特典があるものなど、無理・無駄なく効率的に検討できる内容が特徴です。

要介護状態となった場合の自己負担費用総額の平均が約500万円と言われていることから、親が働けているうちにこそ、会員サービスという形でお得に対策しておくのは得策ではないでしょうか？

例）
・JAFの親介護保険
https://msi.hoken.jaf.or.jp/lp/care/

・ネット完結型　セゾンの親介護保険
https://nethoken.saisoncard.co.jp/lp/kaigo/

・明日へのつばさ親介護保険　ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/anahoken/care_insurance/

・コープの団体「親の介護補償保険」
https://hoken.coopdeli.coop/products/dantai_kaigo_oya/