「これだから一人では住まわせられない」徘徊に並ぶ“認知症あるある”

番号 8

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身を削る『取りつくろい』に翻弄される日々

ある日、母親が「具合が悪い」と寝込んでしまったと聞き、出勤前に急遽、実家に寄ることになりました。
父の介護のストレスもあり突発性難聴になってしまった母は、特に季節の変わり目などにひどい“めまい”を起こし、度々寝込んでしまっていたので、いつもの調子でお見舞いしに行くと、机の上の“異変”に気付きました。

以前、押し入れの奥底から認知症で処方された大量の薬が発見され、問いただしてみると、数日間飲み忘れていたらしく、いつも優しくしてくれる薬剤師さんに薬が残っていることを知られる罪悪感から隠しておいたそう。
子供としては違うところに罪悪感を持って頂きたかったが、この『薬飲み忘れ問題』を解決すべく、日にち毎に仕分けされた“飲み忘れ防止お薬ケース”の導入をしていました。

そんな便利なお薬ケースですが、まだ月初というにも関わらず、すでに月末に差し掛かっている・・
慌てて処方された薬局へ問い合わせし処方日や処方量など確認するも、おおむね半月近く分をここ数日で飲んでしまっている計算に。
奇しくも、トラブル発見の“便利ケース”となってしまうも結果、飲み忘れが直るどころか飲み過ぎで寝込んでしまっていたという顛末。

後に、母に聞いてみると飲み忘れの時に、あの優しい薬剤師さんがさらに優しく丁寧に服薬指導をしてくれた事に、またもや罪悪感をもってしまい、「今度はちゃんと飲まなきゃ・・」とラムネ感覚でハイペースに飛ばし過ぎたとの事。

相変わらず違う方向に罪悪感を使ってしまう“安売り”具合に憤りを感じる一方、このまま半休を取り、病院に連れて行くハメになってしまった私には一切罪悪感を覚えてくれないという理不尽さを残し、事態は収束しました。

バラバラで煩雑なお薬手帳こそ家族全員分まとめてデジタル管理

薬の処方履歴を確認するのに便利なアイテムと言えば『お薬手帳』ですが、いつも持参する事なくシールをもらっては失くしたり、捨てたり、雑な管理をしまくっていたので、こういった緊急事態になって初めてその管理の重要さを思い知らされました。

とはいえ、毎回同じ種類で頻繁に処方される薬になれば、面倒でつい管理が疎かになりがちで、本人以外はなかなか把握するのは困難です。
しかしながら、最近ではドラッグストアでポイントを溜めて処方箋を受け付けることができたり、お薬手帳もアプリで家族分もデジタルで管理できるようになり、親やお子さんなどの薬歴も手軽に一括で管理できる状況が整ってきています。

また、お薬手帳アプリの中には処方せんを撮影するだけで、薬のデータが薬局に送られる機能がついているものもあり、準備ができたら通知してくれ、好きな時間に薬が受け取ることができ、薬局での待ち時間を減らすような事ができるものも登場してきました。
さらに使っている薬のリストをクリニックや薬局と共有したりすることも可能で、薬剤師から服薬に関するフォローアップメッセージが届く機能までついているものもあります。

認知症の初期の頃には必ず、薬の『飲み忘れ、飲み過ぎ問題』に直面する場面も多いと思いますので、アプリを効率よく使って、ご家族全員分の『かかりつけ薬局』を作って管理してみてはいかがでしょうか?

例)
・EPARKお薬手帳:https://okusuritecho.epark.jp/renew/

・日本調剤 お薬手帳プラス:https://portal.okusuriplus.com/

・日本薬剤師会eお薬手帳3.0:https://www.nichiyaku.or.jp/e-okusuri3/

・メディコム ヘルスケア手帳:https://www.phchd.com/jp/medicom/healthcarenote/app

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