母の認知機能低下で一番困ったこととは?
番号 10
親が意思表示できなかったら子供が判断するしかない
2025年には65歳以上の約5人に1人が発症すると言われている認知症。
遠くで一人暮らししていた母の判断能力が鈍くなってきて、オレオレ詐欺にひっかかりそうになったり、あやうく実家が売られそうになったりと症状が進むごとに事態がシビアになっていきました。
とりわけ、銀行では何度も判断能力確認され、同席した私が思わず代わりに答えようとすると、
「息子さんは黙っていてください!!!!」
と、まるで逃走中のハンターのようなムキっとした支店長に完全に疑いの目を向けられながら怒られるも、ギリギリでいつもくぐり抜けてきたスリリングな日々を思い出します。
今では自分の名前すら忘れてしまっている母が『銀行では本当に大変だった・・』と鮮明に覚えているのでよっぽどだったのでしょう。
一般的に判断力とは「決定する力」という意味で使われることが多いですが、認知症における判断力とは自分の周りの状況や今日の年月日を把握していることなどや、物事に集中する「注意力」など、複数の認知機能が組み合わさったものとされています。
何度も母の『資産凍結』を覚悟し、成年後見人制度の検討もしましたが、手間や時間のハードルが果てしない上、後見人になっても様々な‟不自由さ“に全くメリットを感じず、途方に暮れていると時は過ぎ、気付けば多くの重要な部分で母の意思決定ができず、家族で負担しなければならない状況に陥ってしまいました。
「せめて親が判断できるウチにお金の管理について具体的に相談できる相手がいればもっと楽になれたのに・・」と、後悔をしないよう『家族信託』について早めに確認しておくことをお勧めします。
とはいえ、『家族信託』と聞けば地主のような金持ちの親が“超”専門的な士業の方に莫大な費用をかけてお願いするような、限られた人だけが利用するセレブリティなイメージがありますが、純粋に持ち家だったり、退職金や年金などの預貯金などの資産を認知能力が低下する前に、信頼する家族に管理権限を委譲するような一般的なサービスです。
最近では弁護士が監修した独自のITシステムを利用し、関わる士業の手間を削減することで低価格を実現させているサービスも登場し、ますます気軽に相談しやすい環境が整っています。
資産凍結して介護費用が捻出できなれば家族に負担がのしかかってくる苦労を考えれば、親を連れて相談する手間の方がよっぽどリーズナブルではないでしょうか?
■家族信託をあたりまえに ファミトラ
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