認知症の進行スピードを甘く見てはいけない
番号 2
認知症の進行スピードを甘く見てはいけない
よく認知症の初期の症状として同じことを何度も言ったり、人の名前や言葉を忘れてしまうといったものがありますが、親が昔から同じことを繰り返す、忘れっぽい性格だったりすると症状の変化を見逃しがちです。
また、認知症初期症状を子供に悟られたくないので、親本人も明らかな異常行動の進行にうすうす気づいても「大丈夫」、「問題ない」と平静をアピールする“取りつくろい”をする場合があります。
私の認知症の母も同じアイスのパックを何度も買ってきてしまい、大量に冷凍庫に隠し持っていたことが発覚し、その時はいつものおっちょこちょいと笑って注意していたが、2か月後のある日、警察から徘徊保護の連絡を受けた為、まさかと思い診察をした所、認知症の診断が下されました。
おかしい、、と思い始めてから決定的な出来事に至るまでたった2か月という感覚です。
案の定、診断されてから慌てて貯金の状況や年金などの収入面、または加入している保険商品を確認しましたが、本人の意思確認無くして代行手続きをすることは、もはや不可能で時すでに遅しとなってしまいました。
認知症ではどちらにせよ家族が代行で手配をしなければならなくなる
認知症が進むと薬の飲み忘れ、飲みすぎ、徘徊、暴力などトラブルに発展するケースがあります。
トラブルの頻度により家族に大きな負担がかかり、仕事やプライベートと介護との両立が難しくなるケースも少なくありません。
外部の介護サービスを積極的に利用して、介護負担の分散をすることで、実務的な負担は軽減されるものの本人の意思判断に関わる手続きをするうような場合は第3者では厳しく、どうしても家族のフォローが必要となります。
最近のマイナンバーの普及で以前のように同行して対面による手続きをすることも減り、デジタルでの対応も多くなりました。
認知症の進行が進み、少しでも意思判断が困難となった場合に手続き代行ができるよう、早めに家族が環境作りをしておくことこそが、将来家族の負担を被らない最善の策と言えると思います。